有吉亙は、山梨県北杜市で作陶する陶芸作家です。絵を描くことや工作が好きだった少年は美術大学へ進学します。卒業後は彷徨いますが、30歳を過ぎて創作意欲を取り戻すと、再び陶芸の道へ。40歳で「工房月の手」を構えます。
今や有吉作品を代表する織部の数々は、繊細で儚げでも、どこか凛としてたくましい。
デザイン性も豊かで独創的、江戸小紋の絵柄をモチーフにした細密な絵付けが、モダンな器として食卓を飾ります。
今井梨絵は、有吉と同じ美術大学の陶磁コースで学び、卒業後は陶器の街・益子や笠間で研鑽を積み、今は千葉県印旛郡に陶房を移し、多くの個展、グループ展で活躍しています。
「やきしめ」を手にした時の、土の感触はあやうげで優しく、そのあやうさが器を使う人と人のココロを繋げていくような感覚を覚えます。
一見ありふれた流行の器に見えますが、やきしめのナチュラルな質感と浅葱色の色彩は独特のもの。使っていると思わず知らず気持ちが穏やかになっている自分に気がつきます。
写真掲載作品
有吉 亙
黒釉赤絵柿紋湯呑 弥七田織部マグカップ 弥七田織部鉢
今井梨絵
黒紅片口&やきしめプレート 白泥ティーポット 錆浅葱フリーカップ&ツートンプレート
写真は出展作品の一例です。有吉も今井も、それぞれ100余点を展示販売しています。当ギャラリーは入館無料です。
(作家敬称略)