「春もよひ」展では、作家から寄せられたコメントを館内に掲示して、みなさまをご案内しています。その一部をご紹介します。
今井梨絵 Imai Rie
作品のほとんどは「やきしめ」です。
釉薬をかけずに焼成することで、土ならではの風合いになります。
「黒紅」「白泥」「錆浅葱」の色合いは、土を絵の具のように溶かして器に施す「化粧土」を使い出しています。
焼くことで素地の土の鉄分と反応し、この色と質感が生まれます。釉薬のガラス質のコーティングが無い為、水分、油分を吸い込みます。
ピッチャー、花器などの内側には施釉してあります。
使っていくうちに、しっとりと落ち着いた雰囲気になっていくので、その変化も日々楽しんで頂ければと思います。
油分の跡を目立たせたくない場合は、予め食用のオイル(オリーブオイルなど)を塗り込むことで防ぐことができます。また、洗浄は食器洗浄機は避け、使用後はよく乾燥させてください。
プレート
ケーキやチーズなど、料理を盛り付けてお皿として、カップやボウルと合わせてコースターとして、ポプリやこけ玉をあしらってインテリアとして。
様々な楽しみ方ができる一品です。
stone vase
陶芸の制作を始めた頃から続けている「花器」のシリーズのひとつです。植物を生けることで、種から芽吹いているような美しさを出したいと思い、造形しています。
fragmentary
どんどんと変化していく、街、人の営みの風景。その景色の断片を切り取り、制作しているシリーズです。作品と共に様々な街を訪れる中で生まれたカタチです。