窪田直弘は、栃木県足利市に工房と店舗を構え、伝統工芸である〇〇塗には属さない漆芸家です。
当ギャラリーが
2010年春に開催した「語らいの器」展に初出展。多くの陶磁器、ガラス器の傑作が並ぶ中、窪田の漆器は一際お客様に注目され好評でした。
窪田は自らデザインした椀や盆、盃、カップなど、日常使いの漆器を制作しています。挽き物は群馬県の工房世二(せい)に依頼しますが、彫り物は木地から自分で作ります。木地には欅、栃、楢、朴、桂など、天然木を使い、下地から上塗りまでを本漆で仕上げています。
漆器は全て未完成品だと、窪田は語ります。「漆器は毎日使っていると徐々に艶を益し、味わい深くなります。扱いも神経質になる必要はありません。使ってこそ漆本来の力が発揮され、漆器のよさが感じられます。使い手が完成させていくのです」と。
本来なら漆器は身近な器の筈なのに、扱いが難しいという誤解や相応の価格などから、遠い存在に感じている方も多いと思います。「漆器は高級品」という現実的な正論を、ギャラリー如きが論破するのは至難の業。さて、窪田の漆器は如何なものか、みなさま、ぜひご高覧ください。
ギャラリーシュタイネ
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