本展のタイトル「The world is waiting for the sunrise」は、100年ほど前に誕生したポピュラー音楽の曲の名を借りています。当時、第一次世界大戦が終結しても依然としてスペイン風邪が猛威を振るい、世界中で命を落とす人が後を絶たず、人々が疲弊していたそんな時代にこの曲は誕生し、酒場のバンド演奏や、蓄音機から流れる軽快なジャズメロディーに人々は元気を貰ったらしいのです。
邦題は「世界は日の出を待っている」。昨年5月の緊急事態宣言のさ中、私たち表現者は何をなすべきかを考えていたら、ふっと浮かんだのがこのタイトルと、こんなスケッチでした。
あれから1年、コロナ禍の不確実な日常に在って、世界との、他者との交流が制約されるにつれて、人々の感受性や精神性が衰えてしまっては何もなりません。
作家も、ギャラリーも、いや、文化的な、芸術的な、社会のどんな立ち位置にあろうと表現者ならば誰もが、自分自身の哲学と思考で創造する、表現する営みを続けたいのです。
出展作家は素材も技法も異なる18人のアーティスト。表現者の存在意義とか、心意気とか、世情を明るくしたいとか、人々を自作で元気にしたいとか・・・理念も、モチベーションも、考えもいろいろです。
ただ共通するのは、人々に「明るい兆し」をお届けしたいという思い。人々を応援する仕事であることを、しっかりと心に刻んでおきたいのです。
「The world is waiting for the sunrise」は、5月30日(日)まで開催。
10:00~17:00 木曜が休館
ギャラリーシュタイネ
〒399-8301 長野県安曇野市穂高有明7360-17
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