ギャラリーシュタイネでは、作家から寄せられた制作意図、技法などを館内に掲示し、お客様をご案内しています。お二人が語る作品への思いにそって、作品の一部をご紹介します。
「化粧土を浸し掛けする」
これは、いちばん最近調合した化粧土で、クラックが生じるように数種類の土をブレンドしました。ひび割れた土地のようですね。今年のわが家の畑の表情に似ています。
土の原風景のような表情を、小さなうつわの中にもそっと忍ばせられたらと思っています。乾燥した土地を潤すように、お茶を注いで楽しんでみるのもいいかもしれません。
「化粧土を刷毛塗りする」
幅広の大きな刷毛で、大きなリズムを刻む。刷毛のリズムが変わるだけで、うつわの表情は大きく変化する。
刷毛のリズムには 仕事場で流れる音楽も作用するのかもしれない。刷毛が勢いよくすすんで意図しない表情と出会う。
刷毛の運びによって、化粧土の濃いところには亀裂が生じ、薄いところには素地のロクロ目が垣間見える。何度繰り返しても、あきることがない作業。
「さて、流木の話でもしましょうか・・・」
流木マグ、流木きゅうす、流木ポット、
そして、新入りの流木Mago (スペイン語です。英語で言うならMagician)。
海を旅してきた流木を、持ち手などに使ったうつわ。
ウチで使用している流木は、太平洋側で見つけているから、海流でみるとカナダのあたりから来ているようです。もしかすると、渡り鳥がちょっとのあいだ、羽をやすめるためにとまった流木かもしれません。
どのくらいの年数、海を漂ってきたのか。海流の速さはわかりませんが、たぶん、計り知れない年月を大海原の中で翻弄されてきて、余分なものをそぎ落として、味わい深くなったのはたしかです。
これらの木っ端のそれぞれの表情が、特に、私たちのアバウトなうつわや気持ちに馴染むんです。
「まとはまがんじ 安竹みどり 陶展」は、8月29日(日)まで開催しています。10:00~17:00 木曜日が休館です。
ギャラリーシュタイネ
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